お酒への強さを測る方法とは

お久しぶりです、2年の生田です。昨年は自分が大好きなラーメンについての記事を書き、今年発掘したラーメン屋さんについてまた書こうかなとも思ったのですが..。もう少し他の方の記事のように勉強になりそうなことを今年は書いてみようと思い立ちました。そこで大学生に関係のありそうな、朝食の強さを測る方法やお酒に強い弱いっていったい何なのかについてお話しします。

大学で自分のお酒への強さを調べる実験がありました。色々小難しいことも書こうかと思っていますが、理系の内容なんて興味ない人は【まとめ】まですっ飛ばしてもらえれば幸いです。私も正直実験の細かい内容は難しくて覚えてないので、半年前に書いたレポートを見ながら現在執筆しています。お付き合いいただけると嬉しいです。

【アルコール分解の仕組み】

お酒を飲むと、肝臓で以下の2段階の化学反応が起こります。

①アルコール → アセトアルデヒド

酵素「アルコール脱水素酵素(ADH)」が、アルコールを「アセトアルデヒド」という物質に変えます。アセトアルデヒドは体にとって毒性があり、顔が赤くなったり、気持ち悪くなったりする原因になります。

②アセトアルデヒド → 酢酸

酵素「アルデヒド脱水素酵素(ALDH)」がアセトアルデヒドを「酢酸」に分解します。酢酸は無害で、水と二酸化炭素に分解されて体の外に出されます。

アサヒ アルコール代謝の仕組み

【お酒の強さと遺伝の関係】

今回1番お話ししたいのはここの部分で、お酒への強さは遺伝します。両親が酒豪であれば子供も酒豪の可能性が高く、両親がお酒を飲めなければ子供もお酒を飲めない可能性が高いのです。まだ20歳にならない人でも両親のお酒への強さをもとにある程度自分の強さを予測できるという訳です。

では具体的にはどの遺伝子が関係するのかというと、ALDH2と呼ばれる②アセトアルデヒド→酢酸の分解を行う酵素の働きで決めます。この遺伝子には3つのタイプがあります。

・G/G型(野生型):ALDH酵素がよく働き、アセトアルデヒドをすばやく分解します。お酒に強い人が多い。

・G/A型(ヘテロ型):酵素の働きが弱まり、アセトアルデヒドが少し残ります。お酒に強い人と弱い人が混ざっています。顔が赤くなりやすいです。

・A/A型(変異型):酵素がほとんど働かず、アセトアルデヒドが体にたまりやすいです。お酒にとても弱い。

このタイプを実際に調べる実験を行いました。(後述)

A/Aはほとんどいませんでしたが、この型だった友人はほろ酔いでしっかり酔えるタイプの子やアルコールを少しでも摂取すると震えてくる子(つまりアルコールアレルギー)でした。G/GやG/Aは本当に酔い方が様々で、G/Aの子でもまったく酔わない子もいます。

日本人は、G/G型が約6割、G/A型が約3割、A/A型が約1割です。ヨーロッパやアフリカではG/G型が一般的らしいです。

【ALDH2の型の調べ方】

ここでは、実験手法について説明します。

1.DNA 抽出:綿棒で口腔を擦り粘膜細胞を採取し、その細胞から DNAを抽出します。

2.PCR法による DNA増幅:ALDH2 遺伝子のエクソンを特異的に増幅させる DNAプライマーを用いて、DNA領域をPCR法により増幅させます。

3.制限酵素処理:制限酵素を用いてPCR法により増幅したDNA断片を切断します。

4.アガロースゲル電気泳動:アガロースゲル電気泳動により制限酵素処理されたDNA断片を分離します。

5.遺伝型の判定:制限酵素によって186bp,215bp,401 bpの3種類の大きさの断片が生成される可能性があります。どの大きさのDNA断片を持っているかを特定し、ALDH2遺伝子の遺伝型を個々に判定します。

↑実際の電気泳動の結果

電気泳動の試料は左から順にDNAサイズマーカー、DNA溶液、PCR溶液、制限酵素処理液、G/Gコントロール、G/Aコントロール、A/Aコントロール、DNAサイズマーカーです。制限酵素処理液(左から4列目に光っているもの)がG/Gコントロール(右から4列目に光っているもの)のバンドと一致するので、私のALDH2の遺伝子の型はG/G型だと言えます。

【お酒の強さの他の要因】

遺伝だけではなく、お酒の強さには他の要因も関係してくると言われます。

・体重や性別:体重が軽い人や女性はお酒の影響を受けやすいです。

・飲み慣れ:飲む頻度が多いと、体が慣れて耐性が高くなることがあります。

・健康状態:肝臓の働きが弱いと、アルコールの分解能力が低下します。

 

【お酒の強さと遺伝の関係②】

実は、ADH(アルコール脱水素酵素)の働きも遺伝の影響を受けます。具体的には、ADH遺伝子の種類によって酵素の働きが変わり、アルコールの分解速度に個人差が生じます。人にはいくつかの種類のADH遺伝子(特にADH1B遺伝子)があり、それぞれの型によって酵素の働く速さが異なります。

ADH1B遺伝子には大きく以下の2つの型があります。

・通常型(遅い型):アルコール分解のスピードが遅い。主にヨーロッパやアフリカ系の人々に多い。

・変異型(速い型):アルコールを速くアセトアルデヒドに変える。日本人や中国人など、東アジア人に多い。

変異型(速い型)のADHを持つ人は、アルコールからアセトアルデヒドへの変換が非常に速く、アセトアルデヒドが体内にたまりやすいです。このため、酔いやすく、顔が赤くなりやすい傾向があります。アルコール分解が早いほど酔いやすいというのは直感と反しているように感じますね。

【まとめ】

お酒への強さは遺伝します。ADHとALDHという2つの酵素の遺伝子の型によって、アルコールの分解速度が変化します。アルコール分解の過程で生じる、体に毒性のあるアセトアルデヒドが蓄積するほど酔いの症状が体に出ます。

初学者が書いてることなので厳密に言えば異なることもあるかもしれませんが、ご容赦ください。皆さんお酒は適量を。良いアルコールライフをお過ごしください。