「ミニシアターに行こう」

皆さんは最近映画館に行っているだろうか。「あまり面白そうな最新作がない」「Netflixでよくないか?」「拓海さん、地面師になりませんか?」そういった声が聞こえてきそうである。確かにサブスクサービスを使えば映画館より遥かに豊富な作品群を、しかも自宅でゆっくりビールでも飲みながら観られるし、地面師は面白い。ちょっと良いおつまみとワインを傍らに映画鑑賞なんていうのも非常に素敵な時間だろう。しかし、今日はぜひ映画館、それもミニシアター*にも足を運んでみていただきたく筆を執った次第だ。

本日私が紹介したいのは高田馬場にある名画座、早稲田松竹である。1951年開館のこの映画館は大人1500円 (学生1200円)で旧作映画が2本セットで見られる名画座であり、基本的に1週間ごとに上映される映画が変更される。

この映画館をお勧めする最も大きな理由は、上映作品との偶然の出会いである。例えば下の写真 (画像1)は10月に早稲田松竹で観た韓国のホン・サンスという方が監督を務める2作品だが、お恥ずかしながら当日映画館でチケットを買うまで私はこの監督を存じ上げなかった。サブスクサービスの検索欄から観たい作品を探しているだけでは決して出会わなかったであろうし、今まで観てきた作品と毛色が違いすぎてレコメンドにも出てこなかっただろう。そういった意味では、池袋の梟書茶房などで見ることができる、中身がわからないポップだけの本と似ているのかもしれない。

(画像1 2024/10/19の早稲田松竹チケット)

大規模シネマコンプレックスとは一味違う落ち着いた雰囲気の館内や、あちこちに貼られている年代・国籍の様々な映画ポスターにも心躍ること間違いなしなので、ぜひ一度足を運んでみていただきたい。

ちなみに「映画館の恋」も「あなた自身とあなたのこと」も、邦画とも洋画とも違った空気感の素敵な作品なのでぜひ暇なときに観てみてほしい。

今回紹介した早稲田松竹以外にも、例えば新宿シネマカリテという映画館は1970年代の名作ホラー映画など、大手チェーンの所謂シネマコンプレックスとは異なる作品群を上映している。今年の9月公開ながら既に多くの映画館で上映が終了してしまっている「ナミビアの砂漠」 (画像2)など、そういえば見逃してたな、みたいな作品を上映しているのも魅力だ。

(画像2 新宿シネマカリテの「ナミビアの砂漠」ポスター、写真のモアレ縞がひどい)

皆さんも暇でやる事が思いつかない休日があれば、ふらっとミニシアターに立ち寄ってみては如何だろうか。スマホを置いてコーラでも飲みながら、ゆったり映画を観る休日もきっと悪くないだろう。