Gclefさんのダージリン飲み比べ(後編)

昨日に引き続き、TEA MARKET Gclefさんから今年発売されたダージリン紅茶の感想を書いていきます。

ここからはダージリン2ndフラッシュシンブリ農園のロット違いの飲み比べです。

結論から言って、EX-47, 61, 62とEX-57, 58は違いがあまりわからなかったのでまとめてレビューさせてもらおうと思います。精進します。

EX-47, 61, 62

まず茶葉がでかい!!緑がかった黒の茶葉の中に美しい艶のあるシルバーチップが混ざっています。

(左上、右上、左下の順にEX-47, 61, 62の茶葉)

初めは発酵度合いの異なる2種類の茶葉が製造過程で発生し、それらが混ざっているのかと思いましたが、茶葉をよく見てみると一芯二葉もしくは一芯一葉で摘まれた茶葉の芽の部分と葉の部分で色合いが異なっているようです。

(一芯一葉で摘まれたと思われる茶葉。左側の葉の部分は黒く、右側の芽の部分は銀色に光る)

芽と葉の部分では発酵度合いが違うから色合いが異なるのか、産毛の密度が違うから色合いが異なるのか気になるところです。

実際に飲んでみるとクローブやライチのような香りと弱めではありますがマスカテルフレーバーが香ります。味わいとしてコクや渋みもありますが、渋みは冷めてこないと実感できませんでした。全体としては甘さはありつつもスパイシーで爽やかな香りでした。

EX-57, 58

EX-47, 61, 62のほぼ全てが一芯二葉で摘まれ、そのまま加工されたように見えるのとは異なり、こちらには一芯二葉で摘まれたと思われる茶葉に写真のような赤茶けた茶葉が混ざっています。一芯二葉で摘まれたと思われる茶葉の葉の部分も、EX47. 61, 62で見られたのと同じ緑がかった黒色のものも見られますが、赤茶けたものも混ざっています。シルバーチップの割合はEX-47, 61, 62に比べて特徴的です。

(左上、右上、左下の順にEX-57, 58の写真、赤茶けた茶葉の写真)

実際に飲んでみると、EX47, 61, 62よりも甘さが強く、ライチやデーツのような重みのある甘さを感じました。全体として爽やかさやスパイシーさといった成分は弱めで、甘みが強い気がします。

番外編(茶葉を分解する)

ここから先は、茶葉をバラバラにして遊んでみようと思います。

まずは、EX-47, 61, 62の一芯二葉の部分を分解して別々に飲んでみようと思います。

ここでは、下の写真のように葉と芽の根元と芽の部分と葉の部分の二種類に分けて飲んでみようと思います。

(分解したEX47の茶葉の写真。芽の部分の下1/3くらいが黒く見えるが、これは芽と茶葉の根元の部分)

分けた茶葉を1gずつ紙コップに入れて紙コップの中でそのまま抽出します。

(いずれも60倍5分で抽出)

水色をみると、芽と根元の部分の方が水色も薄いことがわかります。

実際に飲んでみると、芽と根元の部分は葉の部分に比べてライトな風味がします。少しフラワリーでミントやハーブを思わせる清涼感がある気がします。また、そのほかの風味が少なめなせいか、コクがダイレクトに伝わってきます。葉の部分を飲むと、クローブのようなスパイシーさを強く感じました。

次に、EX-57の赤茶けた部分の茶葉だけを取り出して飲んでみようと思います。

抽出後の写真を撮り忘れてしまいましたが、水色はEX-47の葉の部分よりは少し薄いオレンジ色でした。

実際に飲んでみると、ライチの酸味やクローブを思わせる香りがします。爽やかなわけではないですが、フルーティーやフラワリー、フレッシュといった言葉がに合うようなライトな香りがしっかりと主張してきます。EX-57全体としては甘みが強い気がしたのでEX-57の茶葉の特徴的な部分を取り出すとこのような風味がするのは意外です。

まとめ

ロット違いで全く味の違いがわかんなかったらどうしようと思っていましたが大まかな味の系統はつかむことができたので安心しました。

多煎抽出ができる茶葉なのに多煎抽出しないでレビューしてしまったのは次回以降への改善点かなと思います。茶葉を分解して飲んでみるのはあまりしたことがなかったのですが、自分としてはかなり学びがあったので続けていきたいです。

会員の皆さんには、この記事を書くにあたって多大なるご協力をいただきました。ありがとうございます。また、TEA MARKET Gclefの皆さん、このように飲み比べをして楽しめるようなマニアックな茶葉や茶葉のセットを販売してくださり、ありがとうございました。

お詫びと訂正(?)

昨日の前編ではダージリンティーの歴史について紹介しましたが、ダージリンティーの栽培初期に中国から持ち込んだ茶樹をアーチボルトキャンベル氏らの築いた茶園に提供したと言われている故ロバート・フォーチュン氏について言及することのないまま記事を投稿してしまいました。ダージリンティーの歴史を語る上で欠かせない人物だと思いますが、そのような人物について言及がないまま記事を投稿してしまったのは執筆者としてやや無責任であったと思います。申し訳ありません。